子どもたちの歓声が響く公園へ。品川区の「ボール遊び問題」と、私たちが考えるべき未来

こんにちは。政治団体「品川区民とつくる未来」代表の新井さとこです。

公園で子どもたちが元気にボールを追いかける姿。それは、まちが活気にあふれている証のようで、見ているだけで心が温かくなる光景です。

しかし、最近「ボール遊び禁止」という看板が立てられた公園が増えた、と感じることはありませんか。「キャッチボールをしたいけど、どこでやればいいの?」という子どもたちの声や、「安心して遊ばせられる場所が近所にない」という親御さんの悩みも、私の元に届いています。

子どもたちが外で思い切り体を動かして遊ぶ。その当たり前の機会が、私たちのまちで失われつつあるのかもしれません。今回は、この「公園でのボール遊び問題」について、現状と課題、そして未来に向けた解決策を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

なぜ「ボール遊び禁止」の公園が増えるのか

まず、なぜボール遊びが禁止されるのか、その背景にはいくつかの理由があります。

  • 安全への配慮: 小さな公園では、ボールが他の利用者、特に小さなお子さんや高齢の方に当たってしまう危険があります。
  • 近隣住民への影響: 道路へのボールの飛び出しによる事故の懸念や、ボールが家に飛び込んでくること、また子どもたちの声による騒音などへの苦情が、区に寄せられることも事実です。
  • 公園のつくりの問題: 多くの公園は、ボール遊びを想定した広さや、ボールが外に出るのを防ぐフェンスなどが十分に備わっていません。

こうした理由から、すべての利用者の安全と地域の平穏を守るために、やむを得ず「禁止」という選択が取られるケースがあるのです。

品川区でボール遊びができる公園は?

では、品川区ではまったくボール遊びができないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。区では、公園の広さや設備に応じて、ボール遊びができる公園を指定しています。

<キャッチボールができる公園の一例>

区では、フェンスで囲われた「キャッチボール場」を多くの公園に整備しています。

  • 大井・八潮地区: 鈴ヶ森公園、大井水神公園、滝王子公園、浜川公園 など
  • 荏原地区: 荏原南公園、源氏前公園、旗の台広場公園、豊町公園 など
  • 品川・大崎地区: 小関公園、西霧ヶ谷公園、西五反田公園 など

(※これは一部です。区のホームページで全リストが公開されています)

<より広いスペースで遊べる公園>

サッカーや野球など、より広いスペースが必要な場合は、以下の公園の専用施設が利用できます。

  • しながわ区民公園: 子どもサッカー場、野球場(予約制)
  • しながわ中央公園: 多目的広場(予約の無い時間帯に一般開放あり)
  • 鮫洲運動公園
  • 潮風公園林試の森公園 のような広い都立公園の広場

ただし、どの公園でも**「柔らかいボールを使う」「周りの人に注意する」「時間を守る」**といった、思いやりのルールを守ることが大前提です。

残された課題と、私たちが目指す未来

ボール遊びができる公園がある一方で、課題も残されています。

  1. 遊び場の偏在: ボール遊びができるのは、一部の広い公園や特定の施設に限られがちです。「学校帰りに、家の近くの公園で気軽に」という子どもたちの願いに応えられていないのが現状です。
  2. 世代間の意識の壁: 子どもたちの歓声を「元気があって良い」と温かく見守る目がある一方で、「うるさい」と感じてしまう方がいるのも事実です。社会全体で、子どもたちの育ちを見守る「寛容さ」が求められていると感じます。
  3. 「一律禁止」という思考停止: いったんトラブルが起きると、「すべて禁止」という安易な方向に流れがちです。本当に危険なのか、工夫次第で共存できないのか、丁寧に考えていく必要があります。

私は、この問題の解決には、**「ルールの工夫」と「対話」**が不可欠だと考えています。

例えば、**「時間や曜日でエリアを区切るゾーニング」や「禁止ではなく、”この種類の柔らかいボールならOK“といった、より柔軟なルール作り」**も検討できるはずです。そして何より、公園を利用する子どもたちや親御さん、近隣住民の方々、そして行政が一緒になって、それぞれの公園に合った最適なルールを考えていく。そんな対話の場が、今こそ必要ではないでしょうか。

子どもたちの健やかな成長にとって、外で思いきり体を動かし、仲間とルールを学びながら遊ぶ経験は、何にも代えがたいものです。その貴重な機会を、大人の事情だけで奪ってしまってはいけません。

私も「品川区民とつくる未来」の代表として、子どもたちの笑顔と、地域の皆さんの安心が両立できる、そんな品川区を目指して、これからも皆さんと一緒に考え、行動していきたいと思っています。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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