誰もが自分らしく輝けるまちへ。品川区の障がい者福祉の「今」と未来

こんにちは。政治団体「品川区民とつくる未来」代表の新井さとこです。

私たちのまち、品川区。駅や商店街を歩いていると、車いすで颯爽と移動する方、白杖を使って慎重に歩みを進める方、様々な方の姿を目にします。

「もし、自分や大切な家族が何らかの支援を必要としたら、このまちは安心して暮らせる場所だろうか」。そう考えたことはありませんか。障がい者福祉は、決して一部の人のためのものではなく、私たち一人ひとりの暮らしに関わる大切なテーマです。

今回は、障がいの有無にかかわらず、誰もが自分らしく暮らせる品川区を目指して、区の取り組みと、私たちがこれから向き合うべき課題について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

一人で抱え込まないで。品川区の相談支援体制

障がいのある方やそのご家族が直面する悩みは、本当に多岐にわたります。そんな時、まず頼ってほしいのが、区の相談支援体制です。

品川区には、専門的な相談に応じる**「基幹相談支援センター」や、より身近な地域で相談できる「相談支援事業者」**がいます。「福祉サービスをどう利用すればいいの?」「将来の生活が不安…」といった悩みに対し、専門の相談員が一緒に考え、必要な情報やサービスに繋いでくれます。

大切なのは、一人で、あるいはご家族だけで抱え込まないことです。まずは「相談する」という一歩を踏み出してほしいと、切に願っています。

多様なニーズに応える品川区の取り組み

品川区では、「障害者計画」に基づき、様々な支援を行っています。

  • 日中の活動の場の確保
    創作活動やリハビリを行う「生活介護」や、働きながらスキルを身につける「就労継続支援(A型・B型)」など、一人ひとりの個性や能力に合わせて、日中をいきいきと過ごせる場所の確保に努めています。
  • 地域で暮らすための支援
    親元を離れて自立した生活を送るための「グループホーム」の整備促進は、重要な課題です。住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための支援に力を入れています。
  • 子どもたちへの切れ目のない支援
    発達が気になるお子さんとそのご家庭を早期から支える療育施設**「すまいるえき」**の運営や、一人ひとりの教育的ニーズに応えるための特別支援教育の充実を図っています。
  • コミュニケーションの壁をなくすために
    品川区が**「手話言語条例」**を制定していることは、ご存知でしょうか。これは、手話を単なるコミュニケーション手段ではなく「言語」として認め、その普及に努めるという、共生社会に向けた区の強い意志の表れだと私は感じています。

それでも残る、高く、厚い「壁」

こうした取り組みが進む一方で、当事者やご家族が直面している課題は、まだまだ根深く、数多く存在します。

1. 「親亡き後」という切実な不安

「私たちが年老いて、この子の面倒を見られなくなったら、この子はどうやって生きていくのだろう」。これは、障がいのあるお子さんを持つ親御さんが共通して抱える、最も切実な不安です。安心して暮らせるグループホームの数はまだ十分とは言えず、その整備は待ったなしの課題です。

2. 就労と経済的自立の難しさ

障がいのある方が一般企業で働く機会は、まだ限られています。また、福祉作業所などで得られる「工賃」は、残念ながら経済的に自立できる水準には程遠いのが現状です。働く意欲と能力があっても、それが正当に評価され、対価に結びつきにくいという社会の構造的な問題があります。

3. 社会に根強く残る「心のバリア」

駅のエレベーターやスロープといった物理的なバリアフリーは進んできました。しかし、最も手ごわいのは、私たちの心の中にある「見えない壁」、つまり無理解や偏見です。障がいを理由とした心ない言葉や態度が、ご本人やご家族をどれほど傷つけるか、私たちは想像力を働かせなくてはなりません。

4. 支援現場の人材不足

障がい者福祉は、専門性と温かい心を持った支援員の方々によって支えられています。しかし、その厳しい労働環境や待遇の問題から、慢性的な人材不足に陥っているという現実にも、私たちは目を向ける必要があります。

誰もが「地域の一員」。私たちが目指す社会

障がい者福祉の目標は、「支援する側」と「支援される側」を分けることではありません。障がいの有無にかかわらず、誰もが地域社会を構成する大切な一員として、互いに支え合い、尊重し合える「共生社会」を実現することだと、私は信じています。

そのためには、制度を整えるだけでなく、私たち一人ひとりの意識を変えていくことが不可欠です。障がいについて正しく知り、まちで困っている方を見かけたら「何かお手伝いしましょうか?」と、勇気を出して一声かける。その小さな積み重ねが、社会全体の「心のバリアフリー」に繋がっていくはずです。

私も「品川区民とつくる未来」の代表として、当事者やご家族の皆様の切実な声に真摯に耳を傾け、制度の隙間を埋め、誰もが取り残されることのない品川区の実現のため、活動を続けていくことをお約束します。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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