こんにちは。「品川区民とつくる未来」代表の、新井さとこです。
子育てが少し落ち着いた。もう一度自分のキャリアを考えたい
今のパートの仕事も大切。でも、本当はもっと専門性を活かしたい
夫の転勤で一度仕事から離れた。でも、私の人生はまだこれからだ
日々、地域の皆様の声をお伺いする中で、こうした「再出発」への意欲と同時に深い不安の声を耳にします。
今からでも社会復帰できるだろうか
10年のブランクがある。昔のスキルはもう通用しないかもしれない
新しいことを学びたい。でも、何から始めればいいか分からない
この切実な悩みは、決して個人の「努力不足」や「能力の問題」ではありません。これは、女性がライフイベント（出産・育児・介護など）によってキャリアを一時中断せざるを得ないことが多いという、社会の「構造的な課題」です。今日、私が皆様にご提案したいのは、この「ブランク」を不安の種ではなく「新たな可能性」に変えるための具体的な仕組みです。
それが「女性のための学び直し（リスキ”リング）支援」です。
これは、品川区の未来にとって、そして何より「私らしく働きたい」と願う全ての女性にとって、今、最も必要な投資であると私は確信しています。
1. なぜ今「学び直し（リスキリング）」が必要なのか？
「学び直し」と聞くと、単なる「資格取得」や「趣味の講座」をイメージされるかもしれませが、しかしここで言う「リスキリング」はもっと戦略的で切実なものです。それは「今の時代の仕事で求められる、新しい職業スキルを獲得し直す」ことを指します。
M字カーブの「谷」に隠された本音
日本には長年「M字カーブ」という問題があります。女性が結婚・出産期にあたる30代前後で労働力率が下がり、子育てが落ち着いた40代後半で再び上昇するグラフの形です。確かに、最近はこの「谷」が浅くなり働き続ける女性は増えました。
しかし、その実態はどうでしょうか。
「正社員としてキャリアを継続」できた方は少数派で多くの方が、一度離職した後の再就職で「非正規雇用（パート・アルバイト）」を選択しています。もちろん、ご家庭の事情に合わせて柔軟な働き方を選ぶことは尊重されるべき選択です。問題は、その選択が「本当はもっと働きたい」「正社員時代のスキルを活かしたい」という本人の意欲とは裏腹に、「それしか選択肢がなかった」という消極的な理由である場合です。
ブランクがあるから、条件の良い仕事は見つからない
昔取った杵柄（PCスキルなど）が、今の職場で通用するか不安
こうした理由で、時給1,000円台の仕事に甘んじてしまう。これは、個人の能力が低いからではありません。ブランクの間に社会が急速に変化しスキルが「時代遅れ」になってしまった。ただそれだけのことです。
社会が「女性の力」を必要としている
一方で、社会全体を見渡せば「人手不足」が叫ばれています。特に、IT、Web、デジタルマーケティングといった分野は、企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）推進に伴い深刻な人材不足に陥っており、ここに大きなチャンスがあります。
社会は新しいスキルを持った人材を渇望しています。そして品川区には、子育てや介護で培った「高いマネジメント能力」「マルチタスク能力」「忍耐力」を持つ、ポテンシャルの高い女性たちが大勢いらっしゃいます。この両者を繋ぐ「架け橋」こそが「リスキリング」なのです。
子育てで培ったコミュニケーション能力に「デジタルマーケティング」の知識を加えれば、企業の広報担当になれるかもしれませんし、細やかな気配りができる方に「Webデザイン」のスキルが加われば、引く手あまたのクリエイターになれるかもしれません。
リスキリングは、女性たちが過去のキャリアに戻るためだけのものではありません。ブランクを乗り越え、むしろ以前よりも高い専門性とリモートワークなど柔軟な働き方を手に入れるための「未来へのパスポート」なのです。
2. 品川区における「リスキリング支援」の現状と課題
では、品川区の現状はどうでしょうか。
確かに品川区にも「ウーマンズ・サポート・プログラム」や、中小企業向けの「DX推進支援」など様々な取り組みがあります。しかし「もう一度働きたい」と願う女性個人の目線に立った時、今の支援は十分と言えるでしょうか。私が問題だと感じているのは「支援のミスマッチ」です。
課題1：学びたい講座が「高額」すぎる
まず、現実的な「費用」の問題ですが、今、本当に「仕事に直結する」Webデザインやプログラミング、データ分析の民間スクールは数十万円単位の費用がかかります。例えば、Webデザインの6ヶ月コースで50万円。これは、現在収入が途絶えているか扶養内パートで働いている女性にとってあまりにも大きな自己投資です。
「夫に相談しづらい」「家計からそんなお金は出せない」
そう言って最初の一歩を踏み出せない方が大勢います。
課題2：ハローワークの講座では「不十分」
国や都、ハローワーク（公共職業安定所）が提供する職業訓練もあります。しかし、残念ながら「内容が基礎的すぎる」「人気の講座は倍率が高く、すぐ受講できない」「本当に現場で求められる最新スキルとは言い難い」といった声が多いのも事実です。「せっかく受講したけれど、就職に結びつかなかった」これでは貴重な時間と税金を無駄にしてしまいます。
課題3：「学ぶ時間」と「子供の預け先」がない
最も切実なのがこの問題です。
リスキリングは、まとまった学習時間を必要としますが、小さな子供を抱える母親が日中に数時間、集中して勉強する環境を確保するのは至難の業です。
「学びたい。でも、その間この子をどこに預ければいいの？」
この問題を解決しない限り、どんなに立派な講座を用意しても「絵に描いた餅」になってしまいます。
3. 新井さとこが提案する「品川区・女性リスキリング支援」の具体策
私たちは、この「高すぎる壁」を取り払い、意欲ある女性が誰でも再スタートを切れる品川区を作らなくてはならないと思います。そのために、私は以下の3つの柱からなる「品川区独自の女性リスキリング支援システム」の構築を検討していきたいと思います。
高品質な学びを「手の届く価格」で（リスキリング・バウチャー制度）
個人の「自己投資」に任せるのは限界があるため、行政が「未来への投資」として支援すべきです。具体的には「品川区リスキリング・バウチャー（利用券）制度」の創設を提案します。これは、品川区が認定した高品質な民間スクール（IT、Web、デジタル、語学など）の講座を、区民の女性が受講する際、費用の7割～9割を区が助成（上限あり）する制度です。「ハローワークの無料講座」か「数十万円の自己負担」という二択ではありません。
「質の高い民間の教育」を「行政の支援」によって手の届く価格で提供する。この「第三の選択肢」が、女性たちの背中を押すと信じています。
「学ぶ」と「預ける」をワンセットで（学習期間中の保育支援）
女性が安心して学ぶためには、お子さんの居場所確保が不可欠です。私は、リスキリング支援と保育支援を切り離さず「ワンセット」で提供する仕組みが必要と考えます。
例えば、
- バウチャー制度の対象講座の受講時間中、一時保育やベビーシッターの利用料を別途助成する。
- 区の施設（例：スクエア荏原など）でリスキリング講座を開講し、同施設内で「無料の託児スペース」を併設する。
「勉強したいから子供を預ける」ことに罪悪感を覚える必要はありません。母親が前向きに学ぶ姿は、必ず子供にも良い影響を与えます。学ぶ母親と安全に過ごせる子供。両方を品川区がサポートします。
「学んで終わり」にしない（区内企業との強力なマッチング）
最も重要なのは「出口」です。
スキルを身につけても、それ活かす「仕事」がなければ意味がありません。幸い、品川区には大崎・五反田のITベンチャー企業群をはじめ、多くの優良企業が集積しています。この「地の利」を最大限に活かすべきです。私は、品川区がハブとなり「リスキリング修了生」と「区内企業」を繋ぐプラットフォームの構築を提案します。
- 企業側には「スキルを身につけた即戦力人材（特に主婦層の持つ高いポテンシャル）」を、採用するメリットを周知します。
- 修了生には、単なる就職説明会ではなく、「インターンシップ（職業体験）」や「メンター制度（先輩社会人との面談）」の機会を提供し、ブランクによる不安を解消します。
「品川区で学んだ女性」が「品川区の企業」で活躍し「品川区に納税」する。この好循環こそが地域経済を最も強くします。
4. 「私らしさ」が、品川区の力になる
「もう一度、私らしく働きたい」
この願いは、決してわがままではありません。その人が持つ能力を最大限に発揮し、社会と繋がり経済的に自立し、誇りを持って生きることは人の基本的な権利です。女性が「母」や「妻」という役割だけでなく「私自身」として輝ける社会。一度キャリアを中断しても、何度でも、いつからでも再挑戦できる社会。そのために必要な「学びの機会」と「挑戦の場」を行政がしっかりと用意すること。
それが政治の責任だと考えます。
リスキリング支援は、単なる「女性支援」や「雇用対策」に留まらず、それは品川区の「未来への投資」です。眠っている才能を開花させ、新たな活力を生み出し品川区をさらに豊かで、多様性のある、選ばれる街にしていくための、最も確実な戦略です。新井さとこは、品川区で頑張る全ての女性が「私らしく」輝けるよう、この「リスキリング支援」の実現に向けて考えていきたいと思います。
あなたの「もう一度働きたい」という想いを、どうか諦めないでください。
その想いを、ぜひ私に聞かせてください。
一緒に、品川区から新しい一歩を踏み出しましょう。
品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ
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