未来の品川のために。放置しない、活かすための「空き家対策」

こんにちは。政治団体「品川区民とつくる未来」代表の新井さとこです。

日々の活動で地域を歩いていると、ふと、長い間人の気配がないお家や、庭の草木が伸びてしまっているお庭が目に留まることがあります。皆さんのご近所は、いかがでしょうか。

私の元にも、「隣の空き家、防犯面で心配…」「親から実家を相続したけれど、どうしたらいいか分からなくて…」といった、切実なご相談が寄せられることが増えてきました。

「空き家」は、今や決して他人事ではない、私たちのまち全体の課題です。今回は、この問題を「負の遺産」として放置するのではなく、「地域の資源」として未来につなげていくために、品川区の取り組みと、私たちが向き合うべき課題について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

都心・品川区でも深刻。空き家問題の「今」

「空き家なんて、地方の話でしょう?」と思われるかもしれません。実は、ここ品川区にも、2018年の調査で約2万3千戸もの空き家が存在しているのです。

特に、品川区には昔ながらの木造住宅が密集している地域も多く、古い空き家が地震や火災の際に被害を拡大させてしまう危険性も指摘されており、私も大きな懸念を抱いています。

管理が行き届かないまま放置してしまうと、最終的には区から**「特定空家等」**に認定され、固定資産税の優遇措置が受けられなくなってしまうことも。そうなる前に適切な手を打つことが、所有者の方ご自身にとっても、地域にとっても、とても大切なのです。

所有者の「困った」に寄り添う、品川区の取り組み

「とは言っても、何から始めたらいいの?」と途方に暮れてしまうお気持ち、とてもよく分かります。品川区では、所有者の方が一人で悩みを抱え込まないよう、様々な支援策を用意しています。

1. まずは専門家への相談を。心強い2つの窓口

一人で悩まず、ぜひ専門家の力を借りてください。

  • 空き家ホットライン
    近隣の方からの「あの空き家、ちょっと心配…」という情報提供や、所有者の方からの初期相談を受け付けています。
  • 空き家専門相談窓口
    私が特に皆さんに知っていただきたいのが、この窓口です。宅建士や建築士といったプロが、売却、賃貸、リフォーム、解体など、それぞれの状況に合わせた最適な活用方法を無料で一緒に考えてくれる、まさにワンストップの相談窓口です。
2. 経済的な負担を軽くする、手厚い助成制度

「解体や建て替えには、大きなお金がかかるから…」という不安の声にも、品川区は応えようとしています。

特に**「都市防災不燃化促進事業」は、燃えにくいまちづくりを進めるため、対象地域内の老朽建築物の解体費用などを助成する制度です。助成額は最大1,550万円**と、本当に大きな支えになる制度ですので、ぜひ活用を検討していただきたいです。(※対象地域や建物の条件があります)

それでも残る、根深い課題にも目を向けて

こうした手厚い支援がある一方で、解決を難しくしている根深い課題があることも事実です。

  • 複雑な権利関係: 相続が繰り返され、誰が所有者か分からなくなっていたり、相続人同士で意見がまとまらなかったり…。
  • 所有者の方の想い: 「親が大切にしていた家だから」と、手放す決断ができないお気持ちも、痛いほど伝わってきます。
  • 活用が難しい物件: 車も入れない細い路地にあり、今の法律では建て替えができない、といった物理的な制約も、大きな壁として立ちはだかります。

これらの課題は、所有者一人の努力ではどうにもならないことが多く、社会全体で向き合う必要があると、私は強く感じています。

未来の品川のために、私たちにできること

空き家問題は、所有者だけの責任ではありません。地域の安全と活力を守る、私たち全員の課題です。

私は、空き家を単なる「問題」として見るのではなく、**「地域の新たな可能性を秘めた資源」**と捉え直したい、と信じています。例えば、若いアーティストのアトリエにしたり、子どもたちが集える地域の居場所にしたり…そんな素敵な未来を描くこともできるはずです。

そのためには、まず所有者の方が勇気を出して相談窓口のドアを叩いてくださること。そして、地域に住む私たちが、この問題に関心を持ち、情報を共有し、時には温かく見守ることが大切です。

私も「品川区民とつくる未来」の代表として、また一人の区民として、所有者の方々の想いに寄り添いながら、空き家が地域の負担ではなく希望となるような、実効性のある対策を行政に働きかけていきたいと思います。

この記事が、皆さんと一緒に「空き家」の未来を考える、小さなきっかけとなれば嬉しいです。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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