皆さま、こんにちは。品川区民とつくる未来の新井さとこです。
「母の目で。庶民の感覚で。」を胸に、日々品川区で活動しております。
朝、あんなに元気だったわが子が、保育園に送る直前になってなんだか熱っぽい…。働くパパ・ママなら、誰もが一度は経験する、血の気が引くような瞬間ではないでしょうか。「仕事を休まなければ…でも、今日の会議は絶対に外せない…!」そんな究極の板挟み状態で、胸を痛めている方は本当に多いと思います。
そんな、どうにもならない時のための「最後の砦」。それが「病児保育」です。今回は、品川区の病児保育の仕組みと、私たちが向き合うべき課題について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
いざという時の心強い味方!品川区の病児保育制度
品川区では、お子さんが病気で集団保育が難しいけれど、保護者がどうしても仕事を休めない場合に、一時的に預かってくれる病児・病後児保育施設があります。
- どんな時に利用できるの?
風邪や胃腸炎といった日常的な病気から、インフルエンザなどの感染症まで、お子さんが入院の必要はないけれど、保育園には行けない、という時に利用できます。看護師さんや保育士さんが常駐し、クリニックが併設されている施設も多いので、安心して預けることができます。 - 利用するにはどうすればいいの?
多くの施設では、事前に利用登録が必要です。いざという時に慌てないためにも、お近くの施設を調べて、あらかじめ登録を済ませておくことを強くお勧めします。利用当日は、かかりつけ医などからの「医師連絡票」が必要になる場合がほとんどです。 - 費用はどのくらい?
品川区民の場合、利用料は1日2,000円(2025年7月現在)で、所得に応じて助成が受けられる制度もあります。また、区の施設とは別に、民間のベビーシッターサービスを利用する際に助成が受けられる「ベビーシッター利用支援事業」もあり、選択肢は一つではありません。
「最後の砦」が、簡単には使えない…?現場の切実な声
このように、いざという時のための制度は整っています。しかし、その「いざ」という時に、スムーズに利用できないという切実な声が、私の元にも数多く届いています。
- 圧倒的に足りない施設の数
まず、一番大きな課題は、区内の病児保育施設の数が、利用したいというニーズに全く追いついていないことです。近隣の区と比べてもその数は少なく、朝一番に電話をかけても「今日はもういっぱいです」と断られてしまう「予約争奪戦」が日常的に起きています。 - 「当日予約不可」の壁
子どもの体調は、刻一刻と変化します。夜中は平気だったのに、朝になって急に熱が上がる、ということも少なくありません。しかし、多くの施設では前日までの予約が必要で、当日の朝に「困った!」となっても、受け入れてもらえないのが現状です。これでは、本当に困っている親御さんのニーズに応えられているとは言えません。 - 働く親への負担と、保育士さんの疲弊
やっとの思いで予約が取れても、事前の医師の診察や、たくさんの書類の準備など、働く親御さんにとっては大きな負担です。一方で、病気の子どもたちをケアする保育士さんや看護師さんは、常に高い緊張感の中で、専門的な知識と経験を求められます。その重要な役割に見合った待遇が保証されなければ、担い手は増えていきません。
誰もが安心して「子育て」と「仕事」を両立できる社会へ
子どもの病気は、誰のせいでもありません。「病気の時は、親が仕事を休んで看るのが当たり前」という社会の風潮が、多くの働く親御さんを追い詰めています。
もちろん、お子さんが一番不安な時にそばにいてあげたい、というのは全ての親の願いです。しかし、どうしても仕事を休めない状況があるのも、また現実です。
私、新井さとこは、この「病児保育」の問題を、子育て支援の最重要課題の一つと捉えています。施設の絶対数を増やすことはもちろん、当日の緊急利用にも対応できるような柔軟な運営体制の構築、そして、現場を支える保育士さんたちの処遇改善を、強く区に働きかけてまいります。
子どもが健やかな時も、病気の時も、社会全体で温かく支えていける。そんな品川区を、皆さんと一緒に作っていきたいです。
品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ
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