誰一人取り残さない品川区へ。品川区のホームレス支援と、私たちが向き合うべき現実

皆さま、こんにちは。品川区民とつくる未来の新井さとこです。

「母の目で。庶民の感覚で。」を胸に、日々活動しております。きらびやかな高層ビルが立ち並ぶ一方で、私たちの足元には、様々な事情から家を失い、路上での生活を余儀なくされている方々がいます。この問題は、決して他人事ではありません。

今回は、品川区が行っているホームレス状態にある方々への支援と、私たちが社会全体で向き合うべき課題について、皆さんと一緒に考えたいと思います。

尊厳を守り、自立へつなぐ。品川区の支援体制

品川区では、路上で生活する方々が再び安定した生活を取り戻せるよう、国や東京都、そして専門のNPOと連携し、多角的な支援を行っています。

  • 声かけから始まる「巡回相談」
    支援は、まずご本人と出会い、信頼関係を築くことから始まります。区では、専門の相談員が定期的に区内を巡回し、路上で生活する方一人ひとりに声をかけ、お弁当や衣類などを手渡しながら、健康状態や困りごとを伺っています。この地道な「アウトリーチ(訪問支援)」が、孤立しがちな方を社会につなぎとめるための、非常に重要な第一歩です。
  • 心と体を休める「一時的な避難場所」
    路上での生活は、心身ともに大きな負担がかかります。特に厳しい暑さや寒さは命に関わります。区では、緊急一時的な宿泊場所(シェルター)へつなぐ支援や、夏季には公共施設などを「避暑シェルター」として開放し、誰もが涼める場所を提供しています。まずは安全な場所で体を休め、次のステップを考えるための大切な支援です。
  • 生活再建への伴走「自立相談支援」
    最終的な目標は、安定した住まいを確保し、その人らしい生活を再び送れるようになることです。品川区の「暮らし・しごと応援センター」では、専門の支援員が一人ひとりの状況に合わせた支援計画(プラン)を作成します。住居の確保から、ハローワークと連携した就労支援、生活保護制度などの利用案内まで、自立に向けて粘り強く、一人ひとりに寄り添ったサポートを行っています。

支援の現場が直面する、根深い課題

しかし、こうした支援をもってしても、解決が難しい根深い課題があります。

  1. 高齢化と健康問題
    路上で生活する方々の平均年齢は年々上昇しており、65歳以上の方が多数を占めています。長年の路上生活により、体力の低下や持病の悪化など、深刻な健康問題を抱えている方が少なくありません。働きたくても働けない、医療を受けたくても受けられない、という厳しい現実に直面しています。
  2. 精神的な課題と社会的孤立
    うつ病や依存症といった精神的な課題を抱えている方も多く、人とのコミュニケーションを避け、社会から孤立してしまいがちです。支援を受けたくても、「他人に迷惑をかけたくない」「自由な生活を失いたくない」という思いから、支援を拒んでしまうケースも少なくありません。時間をかけた信頼関係の構築が不可欠です。
  3. 一度失うと戻れない「住まい」の壁
    路上生活から脱却しようにも、アパートを借りるための保証人がいない、初期費用が用意できない、という「住まい」の壁が大きく立ちはだかります。また、一度生活保護を利用することへのためらいや、制度への誤解から、福祉事務所の窓口へ行くことを躊躇してしまう方もいます。

「自己責任」で終わらせない社会へ

ホームレス問題は、単なる個人の「自己責任」ではありません。経済の変動、失業、病気、家庭環境の崩壊など、誰にでも起こりうる様々な要因が複雑に絡み合って生じます。

私たちにできることは、まず無関心でいないことです。そして、路上で生活する人々を「自分とは関係ない存在」として排除するのではなく、同じ地域に暮らす一員として、その尊厳を尊重することです。

私、新井さとこは、この問題の解決に向けて、現場のNPOや支援員の方々と密に連携し、その声を品川区に働きかけてまいります。特に、高齢や病気で就労が困難な方でも安心して暮らせるグループホームのような住まいの確保や、心の問題に寄り添う専門的なケアの充実が必要です。

誰もが、安心して暮らせる居場所と役割がある。そんな品川区を目指して、これからも全力で取り組んでいきます。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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