歩きやすい品川へ!放置自転車問題、私たちにできること

皆さん、こんにちは。

政治団体「品川区民とつくる未来」です。

駅前の歩道、商店街の入り口、マンションの共有スペース…。

本来、誰もが安全に通るべき場所に、無秩序に置かれた自転車がずらりと並んでいる光景を目にしたことはありませんか?

一台一台は個人の「少しだけなら」という気持ちかもしれませんが、その積み重ねが、街の景観を損ない、重大な危険を生んでいます。特に、お年寄りや車いすの方、ベビーカーを押す方、視覚に障がいのある方にとっては、放置自転車は行く手を阻む「壁」となり、深刻な安全上の問題となっています。

今日は、私たちの身近な問題である「放置自転車」について、品川区の現状と取り組み、そして私たち一人ひとりができることを一緒に考えていきたいと思います。


品川区の「今」を知る:放置自転車の現状

まず、残念ながら、品川区の放置自転車の状況は楽観視できるものではありません。少し古いデータになりますが、令和3年の調査では、区内の放置自転車台数は約1,000台。これは23区内でワースト5位という厳しい結果でした。

特に、武蔵小山駅、五反田駅、大井町駅周辺では放置が多く、通勤・通学、お買い物などで多くの人が利用する場所が、危険にさらされている状況です。

「便利だから」と置かれた一台が、誰かの「不便」や「危険」に直結している。この現実から、私たちは目をそらしてはいけません。


区は、何をしているの? 品川区の取り組み

もちろん、区もこの問題に手をこまねいているわけではありません。「品川区自転車等の放置防止および自転車等駐車場の整備に関する条例」に基づき、様々な対策を行っています。

  • 1. 放置禁止区域の指定と撤去活動
    駅周辺などを中心に「自転車等放置禁止区域」を指定し、区域内に放置された自転車やバイクは、指導員による警告の後、定期的に撤去しています。撤去された自転車を引き取る際には、自転車3,000円、バイク5,000円の撤去・保管費用が必要となります。
  • 2. 自転車駐車場の整備
    区営の自転車駐車場(駐輪場)の整備を進めています。時間貸しの駐輪場も増えており、多くは最初の2時間まで無料など、短時間利用の利便性向上も図られています。また、条例により、商業施設など大規模な建物を建てる際には、駐輪場の設置が義務付けられています。
  • 3. 指導・啓発活動
    指導員が駅周辺を巡回し、放置自転車に警告札を取り付けたり、利用者に正しい駐輪を呼びかけたりする啓発活動を日々行っています。

それでもなくならない…根深い「課題」

これだけの対策を講じても、なぜ放置自転車は無くならないのでしょうか。そこには、いくつかの根深い課題があります。

  • 課題①:「少しの時間だから」という意識
    「すぐに戻るから」「買い物をする少しの間だけ」といった軽い気持ちでの放置が、問題の大部分を占めています。しかし、その「少し」の積み重ねが、常時自転車が置かれている状況を生み出しています。
  • 課題②:駐輪場の不足感と利便性
    「駐輪場がいつも満車で停められない」「目的地から少し遠い」といった声も聞かれます。需要に対して供給が追いついていないエリアがあるのも事実で、これは行政が引き続き取り組むべき大きな課題です。
  • 課題③:壊れた自転車の「廃棄」
    パンクしたり壊れたりして不要になった自転車を、処分するのが面倒でそのまま放置してしまうケースです。これは「放置」であると同時に、不法投棄にもあたります。

私たち一人ひとりが、街の主役

この問題を解決するために、最も大切なのは、私たち区民一人ひとりの意識と行動です。

  • まず、指定の駐輪場に停めることを徹底しましょう。
    目的地まで少し歩くことになっても、その一手間が街の安全を守ります。
  • 「短時間でも放置は放置」という意識を持ちましょう。
    あなたのその一台が、緊急車両の通行を妨げる可能性もゼロではありません。
  • 不要になった自転車は、ルールに従って正しく処分しましょう。
    お近くの自転車店や、区の粗大ごみ受付センターにご相談ください。

行政の取り組みはもちろん重要ですが、それだけでは限界があります。私たち一人ひとりが「自分も街の環境を作る一員だ」という意識を持つことで、初めてこの問題は解決に向かいます。

誰もが安全で快適に過ごせる「歩きやすい品川」を、皆さんと一緒に作っていきたいと思います。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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