品川区の「商店街の未来は?」地域の魅力と静かに迫る後継者問題

こんにちは。「品川区民とつくる未来」代表の、新井さとこです。

日本一長い戸越銀座商店街や、雨の日でも安心なアーケードが続く武蔵小山商店街PALM。品川区には、私たちの生活に彩りと温もりを与えてくれる、魅力的な商店街がたくさんあります。

八百屋さんとの「今日は大根が安いよ!」なんて会話、お肉屋さんで揚げてもらう熱々のコロッケ。スーパーやネット通販では味わえない、人と人との繋がりが、そこにはあります。

しかし、この心安らぐ日常の風景が、今、静かな岐路に立たされていることをご存じでしょうか。今回のテーマは、商店街の「後継者問題」です。


私たちの宝物「商店街」の魅力とは?

問題を考える前に、まずは私たちが愛する商店街の魅力を再確認してみましょう。

  • 人の温もりとコミュニケーション: お店の人の顔が見え、何気ない会話が生まれる場所。地域の人々が集う交流の拠点であり、子どもからお年寄りまでが安心して過ごせるコミュニティの中心です。
  • 専門店のこだわりと信頼感: 「豆腐はあそこ」「お茶はここ」と、長年の経験に裏打ちされた専門店ならではの品質と知識があります。お店の人に相談しながら買い物をする楽しみは、商店街ならではのものです。
  • 街の個性と文化の担い手: 商店街は、その街の「顔」です。お祭りやイベントの舞台となり、地域の歴史や文化を次の世代に伝えていく大切な役割も担っています。

忍び寄る危機「後継者がいない」という現実

この魅力あふれる商店街ですが、多くのお店が共通の悩みを抱えています。それが、店主の高齢化と後継者不足です。

戦後の復興期から街を支えてきた店主の方々は、今70代、80代を迎えています。しかし、そのお子さんたちは別の職業に就いていることが多く、「自分の代で店を閉めようと思う」というケースが少なくありません。

一軒、また一軒とシャッターが下りてしまうと、どうなるでしょうか。

  • 「シャッター通り」化による活力の低下
  • 買い物が不便になる「買い物難民」問題
  • 夜道が暗くなるなど、地域の防犯・防災機能の低下
  • 街の「顔」であった個性の喪失

問題は、単に「お店が一つなくなる」ということだけでは済まされないのです。


未来への希望!新しい担い手たちと支援の輪

しかし、希望の光もあります。近年、新しい形で商店街の未来を紡ごうとする動きが生まれています。

1. 「新しい後継者」の登場

親族ではなく、志ある第三者が事業を引き継ぐ「第三者承継」という形が注目されています。長年培われたお店の味や技術、常連さんとの関係を大切にしながら、SNSでの情報発信や新しいメニュー開発など、若い感性で新たな魅力を加える。そんな「新しい後継者」たちが、全国で活躍し始めています。

2. 品川区の「事業承継」支援

この流れを後押しするため、品川区でも「事業承継・引継ぎ支援」といった相談窓口を設けています。「お店を誰かに譲りたい」と考える店主と、「自分のお店を持ちたい」と考える起業家とを繋ぎ、スムーズなバトンタッチをサポートする取り組みです。

3. リノベーションによる新しい魅力の創出

空き店舗を改装し、カフェやシェアオフィス、若者向けのセレクトショップなど、新しいお店として再生させる動きも活発です。昔ながらのお店と新しいお店が共存することで、商店街は多様な世代が集まる、より魅力的な場所へと進化していきます。


私たちにできること

商店街の未来を守るために、私たち一人ひとりにもできることがあります。

それは、「地元のお店で買い物をする」という、シンプルだけれど最も力強い応援です。

たまにはスーパーではなく、近所の八百屋さんで野菜を買ってみる。週末のランチは、気になっていた商店街の定食屋さんへ行ってみる。そんな小さな行動の積み重ねが、お店の存続と街の活性化に繋がります。

私たちの愛する商店街を、次の世代にも繋いでいくために。まずは今日、近所の商店街を歩いてみませんか?そこには、きっと素敵な発見が待っています。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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