すべての子どもが自分らしく学べる品川区を目指して。品川区の「基礎学力」への取り組み、ご存知ですか?

こんにちは。「品川区民とつくる未来」代表の、新井さとこです。

子育て真っ最中の皆さん、毎日お疲れ様です。夏が終わり、涼しい風が吹くようになると、少しずつ子どもたちの進路や勉強のことが気になり始める方もいらっしゃるかもしれませんね。

実は、我が家も数年前に中学受験を経験しました。まるで終わりのないマラソンのような日々に、親子で何度も壁にぶつかっあことを今でも鮮明に覚えています。特に、思うように成績が伸びない我が子に言ってはいけない言葉を口にしてしまい、自己嫌悪で眠れない夜もありました。「この子の将来のため」と信じて始めたはずなのに、いつの間にか子どもを追い詰め、親子の笑顔を奪っていたのです。

あの日々の苦労は、私に「すべての子どもが、その子に合ったペースで自分らしく学べる環境の大切さ」を痛感させてくれました。そしてそれは、何も中学受験という特別な世界だけの話ではない、という強い想いにつながっています。

品川区の「基礎学力」への取り組み、ご存知ですか?

では、私たちの住む品川区では、子どもたちの「基礎学力」を伸ばすために、どのような取り組みが行われているのでしょうか?少し調べてみました。

品川区の大きな特徴は、なんといっても平成18年度から続く「小中一貫教育」です。これは、小学校と中学校の9年間を見通した切れ目のないカリキュラムで、子どもたちの学びを体系的にサポートしようというものです。

具体的には、

  • 品川区独自の「学力定着度調査」を行い、一人ひとりのつまずきを早期に発見し、個別の指導に活かす。
  • 独自の教科「市民科」を通じて、思考力や表現力を育む。
  • 小学校1年生からの英語教育で、国際社会への扉を開く。
  • 放課後や土曜に学習をサポートする「品川地域未来塾」を開催する。

など、先進的で素晴らしい取り組みがたくさんあります。事実、これらの取り組みによって学力向上に一定の成果が出ているという報告もあります。

親として感じる「課題」と「願い」

しかし、私自身の経験、そして地域のお母さんたちから聞こえてくる声に耳を傾けると、いくつかの課題も見えてきます。

区の調査報告(令和6年度 品川区学力定着度調査)を見ると、例えば国語では「文章を書くこと」や「語彙・文法」に課題があること、また算数でも特定の分野でのつまずきが見られるなど、基礎・基本の定着が依然として大きな課題であることが指摘されています。

これは、制度はあっても、それを実行する現場の先生方が多忙であることや、子ども一人ひとりの多様な学習ペースに集団教育で対応することの難しさの表れかもしれません。

中学受験の経験を通じて痛感したのは、子どもがつまずくポイントは本当に一人ひとり違うということです。ある子は計算は速いけれど文章題が苦手。ある子は漢字は得意だけど、自分の気持ちを作文にするのが苦手。その小さな「苦手」の積み重ねが、やがて「勉強が嫌い」という大きな壁になってしまうのではないでしょうか。

「未来塾」のような素晴らしい取り組みがある一方で、「うちの子には合わなかった」「もっと基礎的なところから教えてほしい」といった声も聞かれます。すべての子どもが、学校の授業と家庭学習だけで十分に基礎学力を身につけられているかというと、まだ改善の余地があるのが現実だと感じています。

親子の笑顔を未来へつなぐために

あの中学受験の夜、「もうやめたい」と言った我が子を抱きしめながら、私は「この子の幸せが一番だ」と心から思いました。学力は、子どもの可能性を広げるための「翼」であって、子どもを縛る「鎖」であってはなりません。

品川区の先進的な教育の光を、すべての子どもたちに届けるために。

私は、これからも親としての視点を大切に、現場の声に耳を傾けていきたいと思っています。

  • 一人ひとりの「苦手」にもっと寄り添える、きめ細やかな学習サポートの拡充。
  • 子どもたちが「学ぶって楽しい!」と思えるような、多様な学習機会の提供。
  • そして何より、私たち親が子育ての悩みを一人で抱え込まずに済むような、相談しやすい環境づくり。

「なんでできないの?」ではなく、「どこで困ってる?一緒にやってみよう」と。

親も子も、笑顔で学びに向き合える。そんな品川区を、皆さんと一緒に作っていきたいですね。

あなたの声も、ぜひ聞かせてください。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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