品川区の障がい者就労。「ありがとう」の言葉が輝く場所、区内のパン屋さんで私が見た希望の光。

こんにちは。「品川区民とつくる未来」代表の、新井さとこです。

皆さんは、日々の中で心が温かくなるような、ハッとする瞬間にどれくらい出会えていますか?

先日、私は区内にあるパン屋さん「パン工房プチレーブ」に立ち寄りました。ここは障害のある方が働き、社会への扉を開く「就労継続支援A型」という場所です。受付に顔を出すと、焼きたてのパンの香ばしい匂いと一緒に「いらっしゃいませ!」という明るい声が迎えてくれました。

レジを担当していたのは、少し緊張した面持ちながらも、一つ一つのパンをとても丁寧に袋に入れてくれる若い男性でした。私が「このパン、美味しそうですね」と話しかけると、彼はパッと顔を輝かせて、「はい!手作りで、人気なんです」と、はっきりとした声で教えてくれました。

その一生懸命な姿、そして自分の仕事に誇りを持っていることが伝わってくるその表情に、私は胸が熱くなるのを感じました。たった数分のやり取りでしたが、私は彼の姿から、「働くことの尊さ」そして「誰かに必要とされる喜び」を改めて教えられた気がしました。

品川区にある、多様な「働く」カタチ

あの日、私が訪れた「プチレーブ」のような場所が、私たちの住む品川区にはたくさんあることをご存知でしょうか。

障害のある方が自分のペースや特性に合わせて働くことができる場所は、大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 福祉サービス事業所での就労
  • 就労継続支援A型:「プチレーブ」のように、雇用契約を結び、お給料(最低賃金以上)をもらいながら働く場所です。「福祉工場しながわ」などもここに含まれます。
  • 就労継続支援B型:雇用契約は結ばず、体調に合わせて通所し、作業に応じて「工賃」をもらう場所です。公園の清掃や、企業からの委託された軽作業など、仕事内容は多岐にわたります。
  • 一般企業への就職を目指すサポート
  • 就労移行支援:一般の会社で働くために、ビジネスマナーやPCスキルなどのトレーニングを積む場所です。専門のスタッフが就職活動から、就職後の定着までを親身にサポートしてくれます。

私たちができること、社会がすべきこと

パン屋さんの彼の笑顔を思い出すたびに、私は思います。

障害があるから「支援される」だけのか弱い存在なのではなく、一人ひとりが社会の大切な一員として、誰かの「ありがとう」を生み出す力を持っているのだと。

そして、彼らがその力を存分に発揮できる場所、安心して働き続けられる場所を社会全体で用意していくことが、私たちの責任なのではないかと感じています。

品川区には「障がい者就労支援センター げんき品川」のような、素晴らしい相談窓口もあります。こうした専門機関と連携しながら、企業と働く意欲のある方とのマッチングをさらに強化していくことが重要です。

何より、私たち一人ひとりが、街の中で働く彼らの姿を見かけた時に、温かい眼差しを向け、感謝の気持ちを伝えること。そして、彼らが作った製品を積極的に手に取ること。そんな小さな行動の積み重ねが、誰もが自分らしく輝ける、真にインクルーシブな社会への大きな一歩になると、私は信じています。

今度のお休みに、ご近所の福祉作業所が作っている製品を探しに出かけてみませんか?

そこにはきっと、たくさんの「誇り」と「ありがとう」が詰まっているはずです。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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