マンションは増えるのに、教室が足りない?品川区の学校とこれからの子どもの数

こんにちは。「品川区民とつくる未来」代表の、新井さとこです。

品川駅の南口を歩くと、真新しい高層マンションが立ち並んでいるのが目に入ります。品川区は今、住みたい街として人気が高まり、マンション開発が急速に進んでいるエリアの一つです。けれど、その人気の裏側で、静かに大きな課題が生まれていることをご存知でしょうか。今回は、マンション急増と学校の教室不足という、意外と知られていない品川区の課題についてお伝えします。

お困りごとがございましたら新井さとこまでお気軽にご相談ください

城南小学校で起きていること

品川駅南口エリアの高層マンションからは、多くの子どもたちが城南小学校に通っています。地域の児童が集中した結果、学校の受け入れ人数を超える状況となり、区の学校選択制度の対象からも外れることになりました。令和8年度には約200人もの新入学が見込まれており、令和7年度以降も、さらに児童数が増える見通しだといいます。

この状況を受けて、令和8年度からは、東品川4丁目の一部(11番から13番)の学区が、城南小学校から城南第二小学校へと変更されることになりました。学区の変更は、対象となるご家庭にとって、通う学校が変わるという大きな出来事です。

マンション開発と学校のミスマッチ

マンション開発の計画と、学校の受け入れ体制の整備は、本来であれば連動して進むべきものです。しかし実際には、マンションの建設スピードに、学校施設の増築や学区再編といった行政の対応が追いつかないケースが少なくありません。子育て世帯をターゲットにしたファミリー向けマンションが増えれば増えるほど、地域の学校にかかる負荷も大きくなっていきます。

私自身、子どもの学校選びをする中で、「この学区は人気があるけれど、これから児童数が増えすぎたりしないだろうか」と不安になったことがあります。人気があることは喜ばしい反面、その人気ゆえの課題があることも、見過ごしてはいけないと感じています。

学区変更という決断の重み

学区が変更になるということは、兄弟姉妹で通う学校が分かれてしまったり、慣れ親しんだ友達と離れてしまったりする可能性があるということです。行政的には合理的な判断であっても、当事者となる子どもや保護者にとっては、簡単に受け入れられるものではないと思います。

だからこそ、学区変更を行う際には、対象となるご家庭への丁寧な説明と、十分な準備期間の確保が欠かせません。決定事項を一方的に伝えるのではなく、不安の声にきちんと向き合う姿勢が、行政には求められていると感じています。

残る課題

  • マンション開発の計画段階から、学校の受け入れ体制を見据えた協議が十分でないこと
  • 学区変更の対象となる家庭への説明やフォローが、後手に回りがちであること
  • 教室不足への対応が、増築や学区再編といった対症療法にとどまりがちであること
  • 今後の人口推計をふまえた、中長期的な学校施設整備計画が見えにくいこと

教育委員会と開発事業者の連携強化を

マンション開発の許可プロセスにおいて、教育委員会が開発事業者と早期に情報共有し、想定される児童数の増加を事前に把握できる仕組みがあれば、学区再編や教室不足への対応も、後手に回らずに済むはずです。開発計画の届け出段階から、教育部門が関与できる仕組みづくりを、区として検討していく価値があると考えています。

他の自治体の取り組みに学ぶ

他の急成長エリアを抱える自治体では、大規模マンションの開発事業者に対し、一定規模以上の開発の際に、学校施設整備への協力金や用地提供を求める仕組みを導入しているところもあります。品川区としても、開発と教育インフラの整備を一体的に考える仕組みづくりが、これから重要になってくると感じています。

これから目指したいこと

マンション開発の恩恵を受けて人口が増えることは、まちの活気にとって前向きな側面もあります。だからこそ、その増加を見込んだ学校施設の整備を、後手に回らせないことが大切です。開発事業者、教育委員会、地域住民が早い段階から情報を共有し、無理のない形で子どもたちを受け入れられる体制を整えていく必要があります。

区民から寄せられた声

「学区が変わると聞いて不安」「兄弟で違う学校になるのは避けてほしい」。学区変更の対象となったご家庭からは、切実な声が寄せられています。一方で、「教室がぎゅうぎゅうで先生も大変そう」という、受け入れ側の学校を心配する声も聞かれます。

他校でも起きている同様の動き

城南小学校だけでなく、区内の他の駅前エリアでも、同様のマンション開発による児童数増加の兆候が見られます。今後、同じような学区再編が必要になる学校が出てくる可能性もあり、区全体として中長期的な児童数の見通しを立てておくことが重要だと感じています。

教室不足がもたらす、見えにくい影響

教室不足は、単に「教室の数が足りない」という物理的な問題にとどまりません。一クラスあたりの児童数が増えれば、教員一人あたりが目を配れる範囲は限られてきます。きめ細かな指導や、いじめ・不登校の早期発見といった面でも、影響が出てくる可能性があります。以前取り上げた「先生が足りない」という課題とも、根っこでつながっている問題だと感じています。

わたしからの提案

大規模マンション開発の許可を出す段階で、教育委員会が児童数の将来予測を精査し、学校施設の増築や学区再編を先手を打って検討する仕組みを整えること。開発事業者に対して、地域貢献の一環として学校施設整備への協力を求めること。学区変更が必要になる場合は、対象家庭への説明を早期かつ丁寧に行うことを、これからも訴えていきたいと思います。

保護者との対話の重要性

学区変更のような大きな決定を行う際、行政が一方的に説明会を開いて終わりにするのではなく、保護者からの質問や不安に丁寧に応える双方向のプロセスが欠かせません。「なぜこの学区が選ばれたのか」「通学路の安全は確保されているのか」といった具体的な疑問に、一つひとつ答えていく姿勢が信頼につながります。

将来を見据えた学校施設整備

品川区の人口は、今後数年でさらに増加が見込まれるエリアもあります。目先の教室不足への対応だけでなく、10年、20年先を見据えた学校施設の整備計画を、区として持っておくことが重要です。人口推計を定期的に見直し、必要な投資を先送りしない姿勢が、これからの品川区には求められています。

おわりに

人気のあるまちだからこそ生まれる、こうした成長痛のような課題に、これからも向き合っていきたいと思います。

子どもたちの気持ちに寄り添うこと

学区が変わることで、仲の良かった友達と違う学校に通うことになる子どもたちの気持ちを、私たち大人はもっと想像しなければいけないと思います。制度上は合理的な判断であっても、子どもにとっては、大切な人間関係が変わってしまう、大きな出来事です。学区変更の際には、子どもたちの心のケアも含めた、丁寧な移行支援が必要だと感じています。

子どもたちのために、これからも

マンションが増えることも、学区が変わることも、行政にとっては数字の調整に見えるかもしれません。けれど、その先には必ず子どもたちの顔があります。数字の向こうにいる一人ひとりを忘れずに、これからも声をあげ続けていきたいと思います。

マンションが増えることも、学区が変わることも、行政にとっては数字の調整に見えるかもしれません。けれど、その先には必ず子どもたちの顔があります。

いただいたご意見をお待ちしています

学区変更や教室不足について、実際に感じていることや不安な点があれば、ぜひお聞かせください。現場の声を、区政にしっかりと届けていきたいと思います。

すべての子どもが安心して通えるように

どのマンションに住んでいても、どの学区に通っていても、すべての子どもが安心して学べる環境を用意すること。それが行政の当たり前の責任だと、私は考えています。これからも現場に足を運び、実情を確認しながら、必要な提言を続けていきます。

人気のあるまちだからこそ生まれる、こうした成長痛のような課題に、これからも向き合っていきます。

透明性のある情報公開を

学区変更や教室不足の状況について、区が保有するデータをより積極的に公開していくことも大切です。将来の見通しが分かれば、保護者も心の準備がしやすくなります。透明性のある情報公開を、これからも求めていきたいと思います。

これからも現場に足を運び、実情を確認しながら、必要な提言を続けていきます。

すべての子どもが安心して学べる品川区を、一緒につくっていきましょう。

保育園でも同様の課題が

教室不足は小学校だけの話ではなく、保育園でも同様の傾向が見られます。人気のエリアほど、保育園の入園希望者が集中し、入りやすさに地域差が生まれています。マンション開発の影響は、就学前の子どもたちの育ちの場にも及んでいることを、あわせて考えていく必要があると感じています。

地域全体での受け入れ体制の見直しを

一つの学校に負荷が集中する状況は、その学校だけの問題ではなく、地域全体の教育インフラのバランスの問題として捉えるべきです。近隣校との連携や、通学区域の柔軟な見直しを、長期的な視点で検討していく必要があると感じています。

一人の母として

子どもたちにとって、通う学校が安心できる場所であることは、何より大切な土台です。人気のあるまちだからこそ生まれる課題に、目を背けず向き合っていくこと。これからも、教育現場の声に耳を傾けながら、活動を続けていきたいと思います。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

ご意見やご相談はこちらから