その道、本当に安全?品川区の通学路とスクールゾーンを考える

こんにちは。「品川区民とつくる未来」代表の、新井さとこです。

子どもを送り出したあと、玄関の鍵を閉めながら、ふと「あの道、本当に安全だったかな」と考えることはありませんか。私自身、娘が一人で登校するようになった当初、見えなくなるまで後ろ姿を見送りながら、心配で仕方がなかったことを覚えています。信号が青の間に渡り切れるだろうか、車通りの多いあの交差点は大丈夫だろうか。そんな不安を抱えながら送り出す朝が、しばらく続きました。

特に雨の日は、傘で視界が悪くなり、車の運転手からも子どもの姿が見えづらくなります。傘を差しながら小走りになる娘の後ろ姿を見るたびに、心のどこかで「早く学校に着いて」と祈るような気持ちになっていました。

品川区では、こうした保護者の不安に応えるため、学校・教育委員会・PTA・道路管理者・警察・町会や自治会が連携し、通学路の安全安心を確保するための取り組みを続けています。今回は、その仕組みと、今後さらに求められることについてお伝えしたいと思います。

お困りごとがございましたら新井さとこまでお気軽にご相談ください

定期的な総点検という仕組み

品川区の区立小学校は、いくつかのグループに分けられ、3年に1回の定期点検が行われています。加えて、地域から変更や改善の申し入れがあった際には、随時点検も実施される仕組みです。実際に現地を歩き、見通しの悪い交差点やガードレールの有無、通学時間帯の交通量などを確認しながら、必要な対策を検討していきます。

点検した結果がすべてすぐに改善につながるわけではありませんが、「危ないと感じた場所を、行政がきちんと見に来てくれる」という事実そのものが、地域の安心感につながっていると感じます。

地域の目で見守る仕組み

制度だけでなく、人の目による見守りも欠かせません。品川区では、児童見守りシステム「まもるっち」を通じて、子どもが緊急時にボタン一つで警備会社に通報できる仕組みが整えられています。また、地域ぐるみで声をかけ合う「83(ハチサン)運動」や、生活安全サポート隊によるパトロールなど、何重にも見守りの網を張る取り組みが続けられています。

小学校周辺のスクールゾーンでは、登下校の時間帯に警察による車両の通行規制が設けられている場所もあります。こうした規制がある通りとない通りとで、体感的な安心感が大きく違うと感じている保護者は少なくないはずです。

実際に歩いてみて感じたこと

娘の通学路を実際に歩いてみたことがあります。地図の上では気づかなかった、電柱のかげで見通しが悪い角、街灯が少なく夕方になると薄暗くなる区間などがいくつも見つかりました。毎日その道を通っている子どもたちにとっては当たり前の景色でも、大人が改めて歩いてみると、危険に気づくことがたくさんあります。

地域の見守り活動をされている方々とお話をすると、「同じ場所に長年立っていると、いつもと違う様子にすぐ気づける」とおっしゃっていました。制度だけでは拾いきれない、こうした地道な積み重ねが、実は一番の安全対策なのかもしれません。ある見守りボランティアの方は、「雨の日ほど、子どもたちが急いで危ない渡り方をしやすいから、気が抜けない」と話してくれました。

これから取り組むべきこと

  • 点検で見つかった危険箇所への対策を、より早いスピードで実行に移すこと
  • 見守り活動をされている方々の高齢化が進んでおり、担い手を広げていく必要があること
  • 共働き家庭が増える中、朝の見守りに参加できる人が限られてきていること
  • スクールゾーンの実効性を、地域ごとに定期的に検証していくこと
  • 雨天時や夕方など、視界が悪くなる時間帯特有のリスクにも目を向けること

制度があることと、それが日々きちんと機能していることは、別の話です。「うちの近所は大丈夫かな」という素朴な視点を、これからも区政に届けていきたいと思います。

他自治体の先進的な取り組み

通学路の安全対策では、先進的な自治体でAIカメラを使った危険箇所の自動検知や、住民から寄せられた「ヒヤリ・ハット」情報をアプリで地図上に集約する取り組みなどが始まっています。行政が気づきにくい細かな危険は、実際にその道を歩く住民の方が一番よく知っているものです。

品川区でも、こうしたデジタルツールを活用しながら、住民からの情報提供をより気軽に、より継続的に集められる仕組みを整えていくことが、今後の課題だと感じています。

保護者と学校、地域の連携

通学路の安全は、行政だけで守れるものではありません。PTAの旗振り当番、地域の商店の方々による「見守り店舗」の掲示、登下校時間に合わせて庭先に出てくださるご近所の方。こうした、制度化されていない自然な見守りの積み重ねが、実はとても大きな役割を果たしています。

共働き家庭が増え、旗振り当番の担い手が減っているという声も聞きます。だからこそ、地域全体で「見守りは特定の誰かの役割ではなく、みんなでできる範囲で関わるもの」という意識を広げていくことが大切だと感じています。

安全は「点」ではなく「線」でつくる

通学路の安全対策は、危険な一点だけを直すのでは十分ではありません。家を出てから学校に着くまでの道のり全体を、一本の線としてとらえ、どこにリスクが潜んでいるかを継続的に見つめ直していく必要があります。信号のタイミング、街灯の明るさ、見通しの悪い曲がり角、雨の日の水はけの悪い場所。一つひとつは小さな課題でも、積み重なれば大きな安心につながります。

子どもたちが毎日歩くその道のりを、大人がもう一度、子どもの目線で歩いてみること。それこそが、制度を血の通ったものにする第一歩だと思っています。

わたしからの提案

通学路の安全対策について、私は次のような提案を考えています。まず、住民から寄せられる「ヒヤリ・ハット」の声を気軽に投稿できる仕組みを整え、点検のサイクルをより短くすること。次に、旗振り当番など見守り活動の担い手を、地域の企業や大学生ボランティアにも広げること。そして、雨の日や夕方など、特にリスクが高まる時間帯に絞った注意喚起を強化することです。

子どもが安心して一人で歩ける道を、一本でも多く増やしていけるよう、これからも声をあげ続けていきます。

気づいたことがあれば、ぜひ声を

「この道が危ない」「ここに信号があれば」といった小さな気づきは、地域センターや学校、警察署に伝えることで、点検や対策の検討材料になります。一人の気づきが、多くの子どもたちの安全につながることがあります。気になる場所があれば、ぜひ声をあげてみてください。

まちぐるみで子どもを守るということ

通学路の安全は、行政の点検や制度だけで完結するものではありません。朝、玄関先で顔を合わせるご近所の方の「おはよう」の一言、商店街の店主さんが子どもたちの下校時間に合わせて店先に出てきてくれること。そうした、制度化されていない日常の積み重ねこそが、実は一番の防犯・安全対策なのだと感じています。

子どもたちが「このまちは、たくさんの大人に見守られている」と感じながら育つこと。それは、統計には表れない、けれどとても大切な安心の形だと思います。これからも、制度と地域のつながり、その両方を大切にしながら、活動を続けていきます。

小さな習慣が、大きな安全につながる

横断歩道の手前で一度止まる、飛び出さない、車の来る方を見てから渡る。当たり前のようですが、こうした基本的な習慣を、家庭でも繰り返し伝えていくことが、制度と同じくらい大切だと感じています。行政の対策と、家庭でのしつけ、その両方が揃って初めて、子どもたちの安全はより確かなものになります。

子どもの視点に立ち続けること

大人の目線では気づかない危険が、子どもの目線には見えていることがあります。背の低さゆえに死角になる場所、大人には気にならない段差。子どもの視点に立ち続けることを忘れずに、これからも通学路の安全について考えていきたいと思います。

子どもたちが「いってきます」と元気に家を出て、「ただいま」と笑顔で帰ってくる。その当たり前の毎日を守ることこそが、まちづくりの原点だと、私は思っています。

おわりに

通学路の安全は、行政・学校・地域・家庭がそれぞれの立場で少しずつ力を出し合うことで、着実に前進していくものだと思っています。これからも、皆様からの気づきの声を大切にしながら、活動を続けていきます。

これからも歩き続けます

私自身、これからも実際に通学路を歩き、地域の方々の声を聞きながら、必要な改善を一つずつ区政に届けていきたいと思います。子どもたちの毎日の安全は、待ったなしのテーマだからです。

登下校の時間帯、少しだけ窓の外に目を向けてみる。それだけでも、地域の見守りの輪は確実に広がっていきます。皆様のお力もぜひお貸しください。

一人の母として

子どもが安心して一人で歩ける道が増えることは、まちの豊かさそのものだと思います。制度と地域の目、その両方を大切にしながら、これからも通学路の安全について声をあげ続けていきます。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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