こんにちは。「品川区民とつくる未来」代表の、新井さとこです。
以前、地域の子育てイベントで、痰の吸引や経管栄養など、日常的に医療的なケアを必要とするお子さんを育てているお母さんとお話しする機会がありました。「预かってくれる場所が本当に少なくて、私が倒れたらこの子はどうなるんだろうといつも不安です」という言葉が、今も心に残っています。今回は、医療的ケア児と呼ばれる子どもたちへの支援について、品川区の現状をお伝えします。
医療的ケア児とは
医療的ケア児とは、人工呼吸器の管理、たんの吸引、経管栄養など、日常生活を送る上で医療的なケアを必要とする子どもたちのことを指します。医療技術の進歩により、以前であれば助からなかった小さな命が救われるようになった一方で、退院後の在宅生活を支える体制づくりが、社会全体の課題となっています。
品川区の相談窓口
品川区には、子どもと家庭に関するあらゆる相談に対応する「品川区子ども家庭支援センター」があります。加えて令和7年4月からは、品川保健センター、大井保健センター、荏原保健センターの区内3か所に、地域子ども家庭支援センターが開設されました。それぞれ月曜日から金曜日の午前8時30分から午後5時まで対応しており、身近な地域で相談できる窓口が増えたことは、大きな前進だと感じています。
ただし、医療的ケア児に特化した専門の支援センターという名称の施設は、現時点では明確には存在せず、子ども家庭支援センターが総合的な相談窓口としての役割を担っている状況です。
「預け先がない」という切実な声
医療的ケアが必要な子どもを育てる家庭にとって、最も大きな課題の一つが「預け先がない」ことです。一般の保育園では医療的ケアへの対応が難しく、受け入れ可能な施設は限られています。結果として、保護者、特に母親が仕事を辞めざるを得なかったり、常に子どものそばを離れられない生活を強いられたりするケースが少なくありません。
「トイレに行く数分すら気が抜けない」という声を聞いたとき、私はその緊張感の大きさに、言葉を失いました。24時間、気の休まる時間がないという生活が、この社会のどこかで日常的に続いているのです。
残る課題
- 医療的ケアに対応できる保育園・学童保育の受け入れ先が limited であること
- レスパイト(一時的な休息)のための短期入所先が不足していること
- 看護師など専門職の配置が、財源の制約から十分に進んでいないこと
- 医療的ケア児支援に特化した、分かりやすい総合窓口の必要性
学校現場での受け入れ体制
医療的ケア児が成長し、就学年齢になったとき、学校現場での受け入れ体制も大きな課題になります。看護師の配置や、緊急時の対応マニュアルの整備など、教育委員会と保健・福祉部門が連携して準備を進める必要があります。「小学校に上がったら、この子はどうなるんだろう」という保護者の不安に、早い段階から向き合う体制づくりが求められています。
他の自治体の取り組みに学ぶ
一部の自治体では、医療的ケア児専門のコーディネーターを配置し、保健・医療・福祉・教育の各分野をつなぐ役割を担ってもらう体制を整えています。また、レスパイトのための専用施設を独自に設置している自治体もあります。品川区としても、既存の子ども家庭支援センターの機能を土台にしながら、医療的ケア児とその家族に特化した支援の強化が求められていると感じています。
わたしからの提案
- 医療的ケア児とその家族に特化した相談・コーディネート機能を強化すること
- 保育園・学童保育における医療的ケア対応の受け入れ枠を段階的に増やすこと
- レスパイトケアのための短期入所先を拡充すること
区民から寄せられた声
「きょうだいの分まで手が回らず、上の子に我慢させてしまっている」。医療的ケア児の保護者からは、その子自身のケアだけでなく、きょうだい児への影響を心配する声もよく聞かれます。
きょうだい児への配慮も
医療的ケアが必要な子どもに手がかかる分、きょうだいが我慢を強いられる場面は少なくありません。きょうだい児支援という視点も、医療的ケア児支援の枠組みの中で、あわせて考えていく必要があるテーマだと感じています。
在宅生活を支える医療・福祉の連携
医療的ケア児の在宅生活を支えるためには、医療機関、訪問看護、福祉サービス、教育機関が緊密に連携する必要があります。しかし実際には、それぞれの機関が個別に対応しており、家族が「連絡係」を担わざるを得ない場面が多いのが現状です。
わたしからの提案
医療的ケア児とその家族に対応する専門のコーディネーターを、子ども家庭支援センターに配置すること。保育園・学童保育における看護師配置のための財源支援を拡充すること。そして、レスパイトケアのための短期入所枠を、地域の医療機関と連携しながら増やしていくことを提案したいと思います。
社会全体の理解を広げること
医療的ケア児という存在について、社会全体の理解がまだ十分に広がっていないと感じています。特別なことではなく、身近にありうる子育てのかたちの一つとして、正しい知識を広めていくことも、政治の役割の一つだと考えています。
成長に伴う支援の切れ目をなくす
医療的ケア児への支援は、乳幼児期、就学期、そして成人後と、成長段階ごとに窓口や制度が変わっていくことが多く、その「切れ目」で家族が不安を感じる場面が少なくありません。ライフステージが変わっても一貫して相談できる窓口の存在が、家族にとって大きな安心につながると感じています。
おわりに
どんな事情を抱える家庭も孤立しない品川区を目指して、これからも声をあげ続けていきたいと思います。
医療的ケア児を育てる家族の一日
医療的ケア児を育てる家庭の一日は、想像以上に細分化されたスケジュールで成り立っています。数時間おきの吸引、決まった時間の経管栄養、体位変換。夜間も気の休まる時間がほとんどなく、慢性的な睡眠不足に悩まされている保護者も少なくありません。こうした日常を知ってもらうことも、支援の輪を広げる第一歩だと感じています。
すべての家族が安心できるように
医療的ケアが必要な子どもとその家族が、孤立せず、安心して暮らせる品川区を目指して、これからも現場の声を届け続けていきたいと思います。
地域の理解を広げる取り組み
医療的ケア児について、地域住民や周囲の子どもたちが正しく理解する機会を増やすことも大切です。学校や地域のイベントで、医療的ケアについて学ぶ機会を設けることで、偏見をなくし、自然に支え合える関係性を築いていけると考えています。子どもたち自身が、多様な友達のあり方を受け入れる経験は、将来にわたって大きな財産になるはずです。
おわりに
どんな事情を抱える家庭も孤立しない品川区を目指して、これからも声をあげ続けていきます。
いただいたご意見をお待ちしています
医療的ケア児を育てるご家庭の実情や、支援制度についてのご意見があれば、ぜひお聞かせください。当事者の声を、これからの政策に反映させていきたいと思います。
これからも寄り添い続けます
医療的ケアが必要な子どもたちとその家族が、孤立せず、安心して暮らせるように。現場の声に耳を傾けながら、これからも寄り添い続けていきたいと思います。
どんな事情を抱える家庭も孤立しない品川区を目指して、これからも声をあげ続けていきます。
声をあげ続けることの大切さ
医療的ケア児とその家族の声は、日々の生活に追われる中で、なかなか外に届きにくいのが現実です。だからこそ、私たち政治に関わる立場の人間が、代わりにその声を拾い上げ、区政に届けていく責任があると感じています。
まとめとして
医療的ケア児という言葉自体、まだ広く知られているとは言えません。まずは知ってもらうこと、そして必要な支援につなげること。この二つを、これからも粘り強く続けていきたいと思います。
これからも寄り添い続けていきたいと思います。
行政窓口のたらい回しをなくすために
医療的ケア児を育てる家庭が最も疲弊するのは、複数の窓口をたらい回しにされることだと聞きます。保健、福祉、教育、それぞれの部署が連携し、一つの窓口で完結できる体制を整えることが、家族の負担を大きく減らすことにつながります。
今日という日を、支援の輪を少しでも広げるきっかけにしていただけたら嬉しいです。
災害時における医療的ケア児への備え
医療的ケア児にとって、停電は命に関わる問題です。人工呼吸器や吸引器など、電源を必要とする医療機器を使用しているご家庭にとって、災害時の電源確保は切実な課題です。品川区の防災計画の中に、医療的ケア児への配慮がどこまで組み込まれているか、今後さらに確認していきたいテーマです。
きょうだいへの心のケアも
医療的ケアが必要な子どものきょうだいは、無意識のうちに我慢を重ねていることがあります。「お兄ちゃん・お姉ちゃんだから」と、幼いうちから頑張りを求められがちなきょうだい児に対しても、専門的な心のケアの機会を用意することが、家族全体の健やかさにつながると考えています。
きょうだい児支援という視点も、これからの政策提言の中に、しっかりと盛り込んでいきたいと思います。
今日という日を、周りにいる医療的ケア児家庭への理解を深めるきっかけにしていただけたらと思います。
一人の母として
子育ての大変さは、それぞれの家庭で全く異なります。医療的ケアという特別な事情を抱える家庭が孤立しないよう、社会全体で支える仕組みを、これからも訴え続けていきたいと思います。
品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ
ご意見やご相談はこちらから



