「40人」を選ぶ、たった一票の重み。品川区議会議員選挙のリアルな今

こんにちは。「品川区民とつくる未来」代表の、新井さとこです。

選挙の投票日、皆様は投票所に足を運ばれているでしょうか。恥ずかしながら私自身、政治の世界に関わる前は、区議会議員選挙について「なんとなく大事」という程度の感覚しか持っていませんでした。誰が何人当選するのか、そもそも品川区議会にはどれくらいの議席があるのか、正直よく分かっていなかったのです。

先日、ご近所の方と立ち話をしていたときも、「品川区議会って何人くらいいるんですか?30人くらいでしたっけ?」と聞かれ、慌てて調べ直したことがありました。実は品川区議会の定数は40人。区の条例で定められた数字です。今回は、この身近なようで意外と知られていない、品川区議会議員選挙の今について、お伝えしたいと思います。

お困りごとがございましたら新井さとこまでお気軽にご相談ください

直近の選挙を、数字で振り返る

直近の品川区議会議員選挙は、2023年(令和5年)4月23日に投開票が行われました。定数40人に対して、立候補者は58人。単純計算で約1.45倍の倍率となり、区の選挙管理委員会の記録にも「近年では稀に見る大混戦」と記されるほどの選挙でした。投票率は40.86%で、前回2019年の39.72%から1.14ポイントの微増。有権者数も約32万8千人と、前回よりわずかに増えています。

数字だけを見ると「微増」という地味な変化に見えるかもしれません。けれど、この1.14ポイントの裏には、投票所に足を運んだ一人ひとりの判断があります。政治に関心を持つ人が少しずつでも増えているのだとしたら、それはとても大切な変化だと感じています。

40人という数字が意味するもの

品川区議会の40人という定数は、区民およそ8千人あたり1人の代表を送り出している計算になります。これは決して多い数字ではありません。子育て、介護、防災、教育、まちづくり。分野ごとに専門性を持つ議員が必要とされる中で、40人という限られた人数で、区政のあらゆる課題をカバーしなければならないのが現実です。

だからこそ、一人ひとりの議員がどのテーマに強みを持ち、どんな声を区政に届けようとしているのかを、有権者側も意識して見ていく必要があると感じています。

投票率という、静かな危機感

投票率40.86%ということは、有権者の半数以上が投票所に足を運んでいないという計算になります。これは品川区に限った話ではなく、全国の地方選挙に共通する課題です。私自身、政治活動を始めるまでは、恥ずかしながらその「半数以上」の側にいたこともありました。

「自分の一票で何が変わるのか分からない」という声を、これまで何度も聞いてきました。けれど、40人という限られた議席を、有権者の判断で選ぶ仕組みである以上、投票に行かないという選択もまた、結果に影響を与えているのだと思います。

候補者と有権者の距離

58人の候補者が40の議席を争うということは、裏を返せば「落選するかもしれない候補者が18人はいる」ということでもあります。候補者にとっては厳しい戦いですが、有権者にとっては、それだけ多くの選択肢の中から代表を選べるということでもあります。

選挙のときだけ名前や政策を知るのではなく、日頃からの活動や発信を見て判断していただけるよう、これからも情報発信を続けていきたいと思っています。

他の自治体と比べて見えてくること

他の特別区を見てみると、定数や投票率にはそれぞれ違いがあります。定数が少ない区、逆に人口規模に対して手厚い定数を持つ区。それぞれの地域事情に応じた制度設計がされていますが、共通して言えるのは、投票率の低下傾向にどう向き合うかという課題です。

期日前投票の利便性向上、投票所のバリアフリー化、若年層向けの主権者教育など、他自治体の工夫を参考にしながら、品川区としても投票のハードルを下げる努力を続けていく必要があると感じています。

次の選挙に向けて

次の品川区議会議員選挙は、2027年4月頃に行われる見込みです。まだ少し先の話に感じられるかもしれませんが、日々の区政に関心を持ち続けることこそが、次の一票を意味のあるものにすると思っています。

  • 区議会だより(区議会の広報紙)や本会議のインターネット中継を、まずは一度のぞいてみること
  • 関心のあるテーマについて、議員がどんな発言をしているかを調べてみること
  • 期日前投票の仕組みを知っておき、投票のハードルを自分の中で下げておくこと

小さな一歩からで構いません。政治との距離を、少しずつ縮めていただけたらと思います。

区民から寄せられた声

「候補者が多すぎて、誰に投票していいか分からない」「選挙公報を読んでも、みんな似たようなことを書いていて違いが分かりにくい」。選挙のたびに、こうした声を数多くいただきます。58人もの候補者から40人を選ぶという作業は、有権者にとって決して簡単なことではありません。

一方で、「期日前投票が便利になって、以前より行きやすくなった」という前向きな声も増えています。制度の使いやすさが、投票率にじわりと影響しているのだと感じます。

候補者の見極め方について

候補者を見極める際には、選挙公報だけでなく、日頃のSNSでの発信や、議会での質問内容を確認することをおすすめします。多くの区議会では、本会議の様子をインターネット中継やアーカイブ動画で公開しており、実際にどんな質問をし、どんな答弁を引き出しているかを確認することができます。

数字の裏にある、有権者一人ひとりの判断

投票率や定数といった数字は、無機質に見えるかもしれません。けれど、その数字の一つひとつは、実際に投票所に足を運んだ人、運ばなかった人、それぞれの判断の積み重ねです。「自分一人が投票してもしなくても同じ」と思う気持ちも分かります。けれど、僅差で当落が決まる候補者がいる以上、一票の重みは決して軽くありません。

実際に、過去の品川区議会議員選挙でも、当落を分けたのがわずか数十票という僅差だったケースがありました。こうした事実を知ると、一票の重みへの感覚が変わってくるのではないでしょうか。

選挙をもっと身近にする工夫

選挙が「難しい」「よく分からない」と感じられてしまう背景には、情報の届け方そのものに課題があると感じています。選挙公報は文字が小さく、専門用語も多く、忙しい日々の中でじっくり読む時間を取るのは簡単ではありません。SNSやショート動画など、若い世代が普段から触れているメディアで、候補者の考えを分かりやすく伝える工夫も、これからますます必要になってくると思います。

また、投票所の場所や開設時間についても、もっと柔軟な運用ができないか検討の余地があります。共働き世帯にとっては、平日の投票時間内に投票所へ足を運ぶこと自体が、ハードルになっている場合もあります。

わたしからの提案

投票率向上のために、私は次のような取り組みが必要だと考えています。まず、中学・高校での主権者教育をさらに充実させ、模擬投票などの実践的な機会を増やすこと。次に、期日前投票所を駅前やショッピングモールなど、より身近な場所に増設すること。そして、選挙公報をより分かりやすいデザインに改善し、スマートフォンでも読みやすい形で提供することです。

他の自治体との比較から見えること

他の特別区と品川区の投票率を比べてみると、都心部に共通する「単身世帯の多さ」や「転入出の多さ」が、投票率の低さに影響している可能性が指摘されています。住民票を移したばかりで選挙権を得られない方や、そもそも地域とのつながりが薄いと感じている単身世帯の方にとって、投票のハードルは高くなりがちです。

こうした都市部特有の事情を踏まえた上で、転入者向けに選挙の仕組みを分かりやすく案内するパンフレットを配布するなど、きめ細かな対応が求められていると感じています。

おわりに

選挙は、特別な日だけのイベントではなく、日々の区政への関心の延長線上にあるものです。次の選挙が来たときに、迷わず一票を投じられるよう、これからも区政の情報を分かりやすくお届けしていきたいと思います。

次世代への主権者教育

娘が将来、初めて選挙権を得たとき、迷わず投票所に足を運べる大人になってほしいと願っています。そのためには、学校での主権者教育だけでなく、家庭の中で政治や選挙について話す機会を持つことも大切だと感じています。夕食の席で、ニュースで見た区政の話題を子どもと話す。そんな小さな積み重ねが、次の世代の投票率向上につながっていくのではないでしょうか。

私自身、娘と一緒に投票所へ足を運び、実際の投票の様子を見せるようにしています。「大人になったら、あなたも一票を持つんだよ」という言葉が、少しでも心に残ってくれたらと思っています。

投票日、たった一つの行動が、40人という代表を選ぶ大きな仕組みを動かしています。忙しい毎日の中でも、その一票を大切にしていただけたらと願っています。

議会をもっと身近に感じるために

品川区議会には、本会議のほかにも、予算・決算や福祉、都市計画といった分野ごとの常任委員会があります。それぞれの委員会で、より具体的で専門的な議論が行われており、実は本会議以上に、区政の細かな中身が見えてくる場でもあります。委員会の傍聴は誰でも可能で、事前の申し込みをすれば、実際に議場に足を運んで議論を聞くこともできます。

私自身、初めて委員会を傍聴したとき、ニュースでは伝わらない議論の熱量や、議員同士のやり取りの緊張感に驚いた記憶があります。文字で読むだけでは分からない「その場の空気」を知ることも、政治への関心を深める一つのきっかけになると思います。

一人の母として

政治は、遠い誰かが決めることではなく、私たちの暮らしに直結するものです。40人という限られた議席に、どんな声を託すか。その判断の材料を、これからも分かりやすくお届けしていきたいと思います。

一票の重みを、他人事にしないまちを、皆様と一緒につくっていきたいと思います。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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