こんにちは。「品川区民とつくる未来」代表の、新井さとこです。
毎年この時期になると、ニュースで「〇〇区、過去最大の予算」といった見出しを目にします。正直なところ、以前の私は「一般会計」「歳出」といった言葉を見ただけで、ページを閉じてしまいたくなる気持ちでした。けれど、この予算こそが、保育園の運営費も、公園の遊具の修繕費も、高齢者福祉のサービスも、すべての元手になっています。難しく感じても、目を背けてはいけないテーマだと思うようになりました。
品川区は令和8年2月17日、令和8年度の当初予算案を公表しました。一般会計の規模は2,369億1,400万円で、前年度比0.9%の増。今回は、この予算を区民目線でできるだけ分かりやすくひもといてみたいと思います。
令和8年度予算の全体像
2,369億円という数字は、正直なところ実感の湧きにくい規模です。ただ、前年度からの伸びが0.9%という比較的緩やかなペースであることからも、区が慎重に財政運営を行っていることがうかがえます。人口が増え続ける品川区にとって、保育や教育、福祉といった行政需要は年々増加しており、その中でどうバランスを取るかが、予算編成の腕の見せどころだと感じています。
注目したい新規事業
令和8年度の新規事業として、暑熱対策都市戦略「(仮称)シェードポリシー」の策定が挙げられています。年々厳しくなる夏の暑さに対応するため、日陰づくりを都市計画のレベルで戦略的に進めていこうという試みで、以前このブログでも取り上げた公園の木陰不足の問題にも関わってくるテーマです。
また、区公式ホームページの全面リニューアルや、生成AIの活用推進といったデジタル関連の事業も盛り込まれています。行政サービスのデジタル化は、使い方次第で区民の利便性を大きく左右するものです。
防災への思い、「しながわ防災区民憲章」
令和8年3月11日、東日本大震災から15年の節目に「しながわ防災区民憲章」の制定が予定されています。節目の年にこうした憲章を定めることには、単なる形式以上の意味があると感じています。防災を区民一人ひとりの意識として根づかせていくための、一つの区切りになることを期待しています。
予算案を読むときに大切にしたい視点
予算案のプレス発表資料を実際に読んでみると、数字の羅列の中に、区が何を優先しているかという「意思」が見えてきます。新規事業として何が挙げられているか、どの分野の予算が伸びているか、逆にどの分野が据え置きになっているか。こうした比較の視点を持つと、単なる数字が、まちの方向性を示す地図のように見えてきます。
子育て支援、高齢者福祉、防災、環境。それぞれの分野に、どれだけの予算が配分されているのかを知ることは、区政を「自分ごと」として捉える第一歩だと思っています。
区民として予算をチェックする方法
予算案のプレス発表資料は、品川区の公式ホームページで誰でも閲覧することができます。専門用語が多く、最初は読みにくく感じるかもしれませんが、まずは「新規事業」の一覧だけでも目を通してみることをおすすめします。今年、区が何に力を入れようとしているのかが、具体的に見えてくるはずです。
- 予算案プレス発表資料は、区の公式サイトで公開されていること
- 新規事業の一覧に、その年度の区の優先課題が表れやすいこと
- 予算編成過程も公表されており、途中経過を追うこともできること
他の自治体との比較から見えること
他の特別区の予算規模や伸び率と比べてみると、品川区の財政運営の特徴が見えてきます。人口増加が続く自治体ほど、保育や教育にかかる予算の伸びが大きくなる傾向がありますが、同時に将来的な人口動態の変化にも備えておく必要があります。目先の需要に応えることと、将来への備えを両立させる財政運営が、これからも求められていくと思います。
区民から寄せられた声
「税金は取られるものというイメージが強くて、使い道まで考えたことがなかった」「予算のニュースを見ても、規模が大きすぎてピンとこない」。予算というテーマについて、多くの方からこうした率直な感想をいただきます。
一方で、「新規事業の一覧だけでも見てみたら、意外と身近な話だと気づいた」という声も。専門的に見える予算案も、切り口次第で、ぐっと身近に感じられるのだと思います。
家計簿との対比で考えてみる
2,369億円という数字は途方もなく感じますが、家計に置き換えて考えてみると理解しやすくなります。収入(税収)の範囲内で、必要な支出(行政サービス)に優先順位をつけて配分する。基本的な考え方は、家計のやりくりと変わりません。予算案を読むときは、「もし自分の家計だったら」という視点を持ってみることをおすすめします。
予算と暮らしのつながり
予算案の中身を見ていくと、私たちが日々利用している保育園の運営費、公園の維持管理費、ごみ収集にかかる費用、学校の改修費用など、暮らしに直結する項目がずらりと並んでいます。大きな数字の中に、自分の生活と接点のある項目を見つけられると、予算はぐっと身近なものになります。
例えば、以前このブログで取り上げた「しながわゼロカーボンアクション助成」や「学童保育」なども、この予算の中に位置づけられている事業です。個別の制度を知ることと、予算全体を見ることは、実はつながっているのです。
予算と税収のバランス
予算の話をするとき、見落とされがちなのが「税収」の話です。行政サービスを充実させたいという気持ちは誰もが持っていますが、その財源となる税収には限りがあります。人口が増え続ける品川区では、当面は税収も安定的に推移すると見込まれますが、将来的な人口動態の変化や、景気の波によって税収が変動するリスクも常にあります。
だからこそ、単年度の予算だけでなく、中長期的な財政見通しを持ちながら、持続可能な行政サービスのあり方を考えていく必要があると感じています。
わたしからの提案
予算をより区民に開かれたものにするために、新規事業だけでなく、前年度からの増減が大きい項目についても、分かりやすい解説を付けて公表すること。子育て世帯、高齢者世帯など、属性別に「自分に関係する予算」を検索できるようなツールを整備すること。こうした工夫が、予算をより身近なものにしていくと考えています。
予算編成の過程を追う楽しさ
品川区は、予算編成の過程そのものも公表しています。最終的に決まった予算だけでなく、そこに至るまでにどんな議論があったのかを知ることができれば、区政への理解はさらに深まります。企業の決算発表を追うように、区の予算編成を毎年チェックする習慣を持つ区民が増えれば、行政と住民の距離は自然と縮まっていくはずです。
区民参加型の予算のあり方
近年、一部の自治体では「参加型予算」という仕組みを取り入れ、予算の使い道の一部を住民投票やワークショップを通じて決定する試みが行われています。品川区でも、こうした住民参加の要素を予算編成プロセスに取り入れることができれば、区民の当事者意識はさらに高まるのではないかと感じています。まずは小規模な事業からでも、住民の声を予算に反映させる仕組みづくりを検討してほしいと思います。
おわりに
難しく見える予算も、暮らしの延長線上にあるものだと捉え直すと、意外と身近に感じられます。これからも、区民目線で予算を読み解く記事を書いていきたいと思います。
子育て世帯として気になる予算項目
予算案の中でも、子育て世帯として特に気になるのは、保育・教育関連の予算です。保育園の運営費、学童保育の拡充費用、学校施設の改修費用など、日々の暮らしに直結する項目がどう推移しているかを追うことは、区政への関心を維持する上でも大切な習慣だと感じています。
また、高齢者福祉や障がい者福祉の予算についても、世代を超えて関心を持つことが、まち全体の支え合いにつながると考えています。自分の世代だけでなく、様々な立場の区民に関わる予算項目に目を向けることを、これからも心がけていきたいと思います。
これからも予算を追い続けます
予算は毎年編成されるものですから、一度理解しただけで終わりではありません。来年度、再来年度と、継続して予算の中身を追いかけ、変化を分かりやすくお伝えしていくことを、これからも続けていきたいと思います。
予算という切り口から見えてくるのは、区が何を大切にし、何を優先しようとしているかという「意思」です。数字を追いかけることは、区政の本音を知ることでもあると思っています。
いただいたご意見をお待ちしています
予算の使い道について、皆様が感じている疑問や要望があれば、ぜひお聞かせください。区民の声を集めることが、次年度以降の予算編成をより良いものにしていく力になると信じています。
決算という、もう一つの重要な視点
予算が「これから使う計画」だとすれば、決算は「実際にどう使われたか」の結果報告です。予算案ばかりが注目されがちですが、決算を見ることで、計画通りに執行されたか、余った予算がどう扱われたかといった、より実態に近い情報を知ることができます。品川区の決算報告も、公式サイトで公表されていますので、予算とあわせてチェックしていただきたいと思います。
予算と決算、両方を見比べることで、行政の計画性や実行力を、区民の視点から評価することができるようになります。
一人の母として
税金は、払って終わりのものではありません。それがどう使われ、私たちの暮らしにどう還元されているのかを、区民の一人として見届ける責任が私たちにはあると思っています。難しい言葉に臆せず、まずは新規事業の一覧を眺めてみることから、一緒に始めてみませんか。
これからも、予算という切り口から、区政の「今」をお伝えしていきたいと思います。
品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ
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