子どもと高齢者を守る「まちの目」。品川区の防犯・見守り活動のいま

こんにちは。「品川区民とつくる未来」代表の、新井さとこです。

夜遅く、娘を塾の帰りに迎えに行った帰り道、暗い路地に入る手前で、思わず足を止めたことがあります。街灯は点いているものの、人通りが少なく、少し不安を感じる区間でした。物騒なニュースを目にするたび、「このまちは大丈夫かな」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

品川区では、地域の防犯力を高めるため、町会・自治会などが設置する防犯カメラの維持管理を支援する補助事業や、個人向けの防犯対策の補助制度が用意されています。今回は、この防犯・見守り活動の今についてお伝えします。

お困りごとがございましたら新井さとこまでお気軽にご相談ください

防犯カメラという「機械の目」

町会や自治会が地域に防犯カメラを設置する際、その維持管理にかかる費用の一部を区が補助する仕組みがあります。あわせて、個人宅向けにも、防犯対策にかかる費用を補助する制度が用意されています。カメラがあるという事実そのものが、犯罪の抑止力になると言われており、実際に地域の方々からも「カメラが増えてから、なんとなく安心感が違う」という声を聞くことがあります。

ただし、カメラはあくまで「記録する」ための道具であり、その場で危険を防ぐものではありません。機械の目に頼りきるのではなく、それを補完する仕組みが必要だと感じています。

人の目による見守りも欠かせません

カメラという「機械の目」だけでなく、地域住民によるパトロール活動も大切な抑止力になっています。品川警察署などと地域団体が連携し、子どもが被害に遭うことを防ぐための取り組みも続けられています。夕方の時間帯に、腕章をつけた地域の方が歩いているのを見かけると、それだけで少し安心した気持ちになります。

一方で、こうしたパトロール活動を担っているのは、多くの場合、地域の高齢の方々です。担い手の高齢化が進む中、この活動をどう次の世代に引き継いでいくかは、大きな課題だと感じています。

暗い路地で感じたこと

冒頭でお話しした夜道の経験以来、私は自分の生活圏の中で「少し不安に感じる場所」を意識するようになりました。街灯が古く暗い場所、植栽が生い茂って死角になっている場所、人通りが少ない時間帯の裏道。地図上では気づかない、こうした場所の存在を、実際に歩いてみて初めて実感することが何度もありました。

残る課題

  • 防犯カメラの設置・維持には費用がかかり、町会・自治会の負担が大きいこと
  • パトロール活動の担い手が高齢化し、次世代への引き継ぎが進んでいないこと
  • 街灯や植栽の管理など、防犯環境の基盤整備が地域によって差があること
  • 制度があることを、そもそも知らない区民が一定数いること

防犯カメラの設置や補助制度が整っていても、実際に地域で「顔の見える関係」がなければ、見守りの力は半減してしまいます。制度を知ってもらうことと合わせて、あいさつを交わせるご近所づきあいの大切さも、伝え続けていきたいと思います。

他の自治体の取り組みに学ぶ

一部の自治体では、ウォーキングやジョギングを日常的に楽しむ住民に、腕章やゼッケンを配布し、「ながら見守り」として防犯活動に協力してもらう仕組みを取り入れています。特別な時間を割かなくても、普段の生活の延長線上で見守りに参加できるこうした工夫は、担い手不足の解消にもつながる、良いヒントだと感じています。

わたしからの提案

  • 防犯カメラ設置補助の対象や金額を、町会・自治会の実情に合わせて見直すこと
  • 「ながら見守り」のように、無理なく参加できる見守りの仕組みを広げること
  • 暗い路地や死角になりやすい場所について、区民から情報を集める仕組みを整えること
  • 制度の存在を、町会の回覧板やSNSなど複数の手段で周知すること

子どもの安全と高齢者の安全は、地続きである

防犯・見守り活動というと、子どもの安全を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は高齢者の見守りとも深く関わっています。一人暮らしの高齢者が、地域の見守りの目から漏れてしまい、異変に気づかれるのが遅れてしまう。そうした課題も、防犯・見守りという同じテーマの中で考えていく必要があります。

子どもと高齢者、どちらも「地域の目」によって守られる存在です。世代を超えた見守りのネットワークを、まちぐるみでどう構築していくかが、これからの課題だと感じています。

防犯は「排除」ではなく「つながり」から

防犯対策と聞くと、不審者を排除する、鍵をかけるといった「守り」のイメージが強いかもしれません。けれど、実際に犯罪を防ぐ最も効果的な方法の一つは、地域の人間関係が豊かで、お互いに顔が見える状態をつくることだと言われています。あいさつを交わす関係が多いまちほど、犯罪が起きにくいというデータもあります。

防犯カメラやパトロールといったハード面の対策と同時に、地域のつながりというソフト面の対策にも、もっと力を入れていきたいと思っています。

区民から寄せられた声

「防犯カメラを付けたいが、町会の予算だけでは限界がある」「パトロールをしているが、担い手がみんな70代以上で、後継者がいない」。地域の防犯活動を支えてくださっている方々からは、こうした切実な声を多くいただきます。

善意と負担感の間で活動を続けてくださっている方々を、行政としてもっと具体的に支えていく必要があると強く感じています。

わたしからの追加の提案

防犯パトロールに参加する現役世代向けに、参加しやすい時間帯や頻度を選べる仕組みを整えること。企業のCSR活動として、地域の防犯活動に協力してもらう仕組みを区が仲介すること。担い手不足を、地域だけの問題にせず、行政が積極的に橋渡し役を担っていきたいと考えています。

まちの安全は、みんなでつくるもの

防犯・見守り活動は、行政や警察だけが担うものではありません。商店主が営業中に外の様子に気を配ること、犬の散歩をする人がいつもの時間に通ること、ベランダで洗濯物を干す人が何気なく外を見ること。特別なことをしなくても、日常生活の延長線上に、まちの安全は成り立っています。

この「ながらの見守り」の価値を、もっと多くの区民に知ってもらい、参加のハードルを下げていくことが、これからの防犯対策の鍵になると考えています。

安心して暮らせるまちへ

子どもも高齢者も、誰もが安心して外を歩けるまち。それは、特別な技術や多額の予算がなくても、地域の一人ひとりの小さな心がけの積み重ねで、着実に近づいていけるものだと信じています。制度の後押しと、区民一人ひとりの意識、その両方を大切にしていきたいと思います。

おわりに

防犯・見守り活動は、制度と人のつながり、その両方があって初めて力を発揮します。地域の中で気になることがあれば、どうぞ気軽にお声がけください。皆様と一緒に、安心して歩けるまちをこれからもつくっていきたいと思います。

見守りの輪を広げるために

防犯・見守り活動は、特別な資格や体力を必要とするものばかりではありません。ベビーカーを押しながらの散歩の途中、犬の散歩のついでなど、日常の延長でできる見守りの形もたくさんあります。こうした気軽な参加の形を、区としてもっと積極的に紹介していくべきだと感じています。

できることから、少しずつ

特別な活動に参加できなくても、日々のあいさつや、少しの気配りだけで、まちの防犯力は確実に高まります。まずは、ご近所の方に挨拶をすることから始めてみませんか。

誰もが見守られていると感じられるまちへ

防犯カメラも、パトロールも、ご近所のあいさつも、すべては「このまちで誰かに見守られている」という安心感につながっています。制度と人のつながり、その両方を大切にしながら、これからも品川区の防犯・見守り活動を見つめ続けていきたいと思います。

いただいたご意見をお待ちしています

ご自宅の周りで「ここが少し不安」と感じる場所や、地域の見守り活動についてのご意見があれば、ぜひお寄せください。皆様からの声を一つひとつ受け止め、区政に届けていきたいと思います。防犯カメラの設置状況やパトロールの実施状況についても、引き続き情報発信を続けていきます。

まちの安全は、行政の制度と、区民一人ひとりの意識の両方が揃って初めて実現します。これからも現場に足を運び、皆様の声を聞き続けていきたいと思います。

子どもたちの「いってきます」と「ただいま」が、これからもずっと当たり前の日常でありますように。

見守りは、次の世代へのバトン

今、地域のパトロールや見守り活動を支えてくださっている方々の多くは、高齢の世代です。この善意のバトンを、現役世代や若い世代がどう受け継いでいくかは、これからの品川区にとって大きな課題です。私自身、子育てをする一人の区民として、できる範囲で見守りの輪に加わっていきたいと考えています。

制度づくりと同時に、こうした「担い手を増やす」という視点も、これからの防犯・見守り政策には欠かせないと感じています。

一人の母として

制度と人、両方の支えがあってこそ、まちの安全は保たれるのだと思います。子どもたちが暗くなってからも安心して歩ける道が、一本でも多く増えていくよう、これからも活動を続けていきます。

品川区民とつくる未来 代表 新井さとこ

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